“小樽雪あかりの路”変わらぬ風景を灯す!

光と歴史を守る小樽雪あかりの路“ 

石造りの建物と赤いアウディの車

小樽の街は、夜が特に美しい。歴史的建造物がライトアップされ、運河沿いのガス灯が、なんとも言えない雰囲気を創り出します。2月に開催された“小樽雪あかりの路”も、光と歴史を大切にした素敵なイベントでした。多くの海外からの訪問者に驚きながらも、かなり以前に訪れた小樽と変わらない風景があることに、安堵を覚えます。久々に訪れた喫茶店“さかい家”は、”くぼ家“と名前を変えていました。新しい若きオーナーやスタッフの方々が、地元の作家の器を紹介しながら、高いモチベーションで、変わらない風景を維持しています。変わらないことは難しい。だから変わらないその光景に、人は惹きつけられます。“小樽雪あかりの路”は、小樽にゆかりのある詩人 伊藤整の詩にちなんで命名されたといいます。詩の中の、荒れ狂う雪の嵐の後に優しくさす青い雪の光を思い浮かべます。

ライトアップされた歴史的建造物 雪景色の中のライトアップされた石造りの建物 街燈が灯る小樽の古い建物 街燈が灯る石造り倉庫

雪が積もる古い木造の喫茶店

木造の喫茶店の店内のカウンター

運河を灯す明かりが創る幻想風景

街燈が灯る夜の小樽運河

「小樽雪あかりの路」のイベント期間中は、延べ12万本にもおよぶ、やわらかなロウソクの灯りが小樽の夜を照らし出します。「小樽雪あかりの路」の会場は、メイン会場(2ヵ所)と準メイン会場(1ヵ所)、そして小規模のあかりの路会場(40ヵ所程度)からなります。メイン会場は、「手宮線会場」と「運河会場」です。準メイン会場は「朝里川温泉会場」です。そして、JR銭函駅や豊足神社、市立小樽図書館など市内各所に小規模のあかりの路会場があります。「小樽雪あかりの路」の最大の見どころは、メイン会場のひとつ「運河会場」でしょう。小樽運河とレンガ造りの倉庫群が織りなすレトロな風景美を、揺らめくロウソクの灯りがさらにノスタルジックな世界へと誘います。毎年、運河には小さな灯ろうが浮かべられ、また、運河沿いの散策路にもやわらかなロウソクの火が灯ります。運河沿いの散策路にもキャンドルとオブジェがたっぷり並べられていて、見ごたえ抜群です。本当に1つ1つが手作りなので、なんだかぬくもりを感じてしまいます。雪の中にほのかにゆらめく、無数の灯りは、一人一人の祈りとなり、願いとなります。この無数の小さな灯りをいつくしみ、一つ一つの小さな祈りを、雪の日も、風の日も守り続けられます。

水面にキャンドルが浮かぶ夜の小樽運河

旧手宮線は路地裏の銀河鉄道に。。。廃線に灯されたゆらめく灯

紅葉が見える氷でつくられたキャンドル

もうひとつのメイン会場は、「手宮線会場」です。小樽雪あかりの路の開催期間中は、この手宮線のレールにそって、キャンドルのあかりとオブジェが立ち並び、運河会場と並ぶイベントの2大メイン会場となっています。手宮線とは、1985年に廃線となった貨物路線です。かつて小樽の街を支えてきた手宮線は、今も鉄道のレールが残され、小樽の新たな観光スポットとして活躍中です。「小樽雪あかりの路」のイベント期間中は、この手宮線のレールにそってロウソクの灯りが延々と連なります。降り積もった雪の中に無数のろうそくの灯りが揺らめく廃線跡地は、路地裏の銀河鉄道としてよみがえります。

「守りあい、隣り合い、挨拶しあう愛」

ゆらめく、小さな灯りをとおして、このメッセージを、日本中の一生懸命、命を燃やし続けて生きる人々に向かって、送り続けます。眼の前には、子供たちの笑顔と、手袋を外してつないだ手と手が通り過ぎます。

丸い雪で囲まれたキャンドル 

 

旧三井銀行小樽支店を舞台にしたマルシェとジャズの響き

大理石のカウンターに置かれたマルシェの品々

旧三井銀行小樽支店を、20店の素敵なショップとカフェが埋め尽くします。吹き抜けに映し出されるプロジェクションマッピングもあいまって、上質な空間を演出します。3日間限定の、ちょっとオトナな時間です。今年も2/10(土)~12(月・祝)の3日間開催される@Marché(あったマルシェ)が開かれていました。寒い雪あかりの路の時に、「少しでもあったまってもらおう!」という気持ちで初めて開催したイベントで、三井とショップとカフェがオトナな空気を醸しあう素敵な空間を創っています。普段公開していない部屋もSHOP会場となり、心あたたまる上質な時間を過ごすことができました。イベント最大の魅力、それはなんといっても、旧三井銀行小樽支店の大理石のカウンターに並んだ美しい品々です。小樽をはじめ近郊の作家のおしゃれなアクセサリーや器・花・インテリ雑貨などが、レトロな雰囲気の中、モダンに展示販売され、大勢の人が会場内を行き交っていました。洋服やアクセサリーを販売するZeeでは、2階の個室のアンティークさを活かした展示を行って商品を並べ、和田硝子器店ではシンプルで機能美溢れる食器、幸愛硝子の洗練されたネックレス等が販売しされています。イベント中心に活動するビンテージやレトロファッションのoui ouiなど、大勢の来館者は、建物の雰囲気とショップを巡り堪能していました。「小樽の歴史的建造物と合う雑貨やアクセサリーが集まり、小樽に来てほしい店舗にも声をかけている」との主催者の意向が伝わります。空間・映像デザイナーの福島慶介氏(N合同会社代表)による「ファントムカフェ」を1階に開設。飲み物とスイーツを館内の空間を楽しみながら味わえます。最終日の12日(月)は、「サッポロ・シティ・ジャズ」によるミニライブが行われていました。

旧近郊内のマルシェの様子 大理石のカウンターに置かれた商品 大理石のカウンターに置かれたキャンドル 氷のグラスにつがれた色々な種類のお酒  

「手作り」と「参加型」にこだわる“小樽雪あかりの路”

街燈が灯る運河を進むボート

“小樽雪あかりの路”の一番のこだわりは、市民とボランティアの「手作り」と「参加型」の企画ということです。このイベントは、市民が中心となり、徐々に海外、道外含む多くのボランティアスタッフが参加するようになり、その数は今や2000人以上! 作業内容は、スノーキャンドルの作成や補修、ろうそくの点火や消火、転ばないための砂まき、使用済みミツロウの再生、パンフレット配布など多岐に渡ります。人の手による「あたたかさ」が支えています。厳寒の2月、雪の中に揺れる光に、小樽のボランティアの方々のたゆまない努力と力強いメッセージを感じずにはいられません。この北の町に奇跡的に残された小さな古めかしい街並みや、運河で、かつて北海道の開拓を支え、今は用済みとなった旧幌内道―手宮線、廃線跡地を舞台として、厳寒の2月、運河に浮かぶ数百ものガラスの浮き玉のろうそくの灯りは水面に浮かぶ天の川となりなります。運河では、役割を変えた船が、観光客を乗せて、浮き球に灯されたキャンドルの狭間を漂っています。歴史的建造物にあてられた光の“影”と雪の中をひた走る人力車の鮮やかな“赤”に後ろ髪をひかれつつ、久々の小樽から札幌への帰路につきました。

小樽雪あかりの路:2017年2月3日~2017年2月12日 http://yukiakarinomichi.org/

 雪景色を進む人力車 

小樽雪あかりの路:201723日~2017212日 http://yukiakarinomichi.org/

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