提灯と夜の宴

北政所(ねね)の想いを馳せる『高台寺』

高台寺の提灯

豊臣秀吉の正妻、北政所(ねね)が秀吉の菩提を弔うために建てたのが高台寺です。聡明で頼りがいがあり、しかも愛嬌のある正室の彼女に、秀吉は全幅の信頼を寄せたといいます。

ねねは、秀吉の死と共に豊臣の天下も終わったと悟り、まだ幼い秀吉の一人息子 (豊臣秀頼、側室淀君が産んだ子で、当時5歳) が天下を治められることはできないと考え、家康を支援しようと決断しました。家康に天下を譲り、豊臣家を徳川臣下の一大名として存続してもらう道を選んだのです。

ねねは、すぐ近くにある圓徳院から、毎日高台寺に通っていました。ねねはここ高台寺で、秀吉と共に築き上げた豊臣の天下の象徴、大阪城が燃え尽き、遠くの空が赤く染まるのを見たのでしょうか。かつて輝いた秀吉の天下が衰退、その後消滅する時代を送り、この美しい高台寺で、ねねが何を考え、何を感じながら生きたのでしょうか。

ねねは、現在、霊屋(重要文化財)と呼ばれる建物で眠っていますが、そこに施された蒔絵は桃山時代を代表する工芸手法で、「高台寺蒔絵」として知られています。

ライトアップされた高台寺の庭園

4月初め、白砂が美しく掃き清められた高台寺の方丈前庭に、大きな枝垂れ桜が優雅に花を開きます。夜にはライトアップもされ、照らし出された桜のピンクと砂の白さのコントラストが一段と幽玄な眺めを作ります。 高台寺の境内には他にもソメイヨシノ、ヤエザクラ、ヤマザクラなどがあちこちで見られます。

ライトアップされた高台寺の竹林

境内は、桜、竹、百日紅、紅葉と、一年を通じて目を楽しませてくれます。また、開山堂(重要文化財)を取り巻く池泉回遊式庭園(史跡・名勝)は、江戸初期の総合芸術家で大名の小堀遠州の作庭と伝わっています。北書院では様々な芸術家が展示を行う一方、夜間公開の時期は毎年趣向を凝らしたライトアップで多くの拝観者が訪れます。

円山公園で咲き誇る二代目『祇園しだれ桜』

円山公園のしだれ桜

参道を東に進んで行くと、たくさんの提灯が飾られている建物が見えてきます。これは「舞殿(ぶでん)」と言って八坂神社の奉納行事の他、結婚式にも使われるそうです。

円山公園の多数の提灯

桜の名所が数多くある京都の中で、ひときわ有名な桜と言えばやはり、円山公園の西側に位置する中央広場にあるしだれ桜でしょう。桜が咲き誇る園内で、「祇園しだれ桜」の名で親しまれているしだれ桜は、威風堂々としていています。

このしだれ桜、実は2代目で初代は江戸時代からこの地に存在していたのですが、樹齢200年程経った後枯死してしまったのです。その後2代目が植樹されて90年近く経ちます。「祇園しだれ桜」は、日本一有名な桜守、第16代佐野藤右衛門氏が世話をされています。青空のもと仰ぎ見る祇園しだれ桜もいいですが、夜桜はまた格別です。
ライトアップされた夜桜が美しく、池の対岸から水面に映る姿も幽玄です。

周りにかがり火が焚かれ、古都の演出に一役買っています。かがり火に浮かび上がる様は、祇園という場所にあってか妖艶な美しさを感じます。

京都の円山公園のかがり火

かがり火と提灯に照らされた桜を愛でる「京の宴」

舞殿の先にある参道を通り抜けると賑やかな声と食べ物の良いにおいとともに、提灯の明かりに照らされたたくさんの桜があらわれます。 かがり火は、午後6時頃点火で、10時頃までついていました。

 円山公園は京都の繁華街・四条河原町や祇園にも近く、桜の季節は花見の宴会や出店も賑やかで、京都でも屈指の桜の名所と言えるでしょう。シダレザクラ、ソメイヨシノ、ヤエザクラが680本も植えられており、3月から4月の比較的長い期間、桜を楽しむことが出来ます。

大きな屋台風のお店の前には、2人掛けの台とちゃぶ台が置かれていて、花見を楽しみながら、おでんやうどん、花見団子、ビールを楽しめます。

桜の木が痛み、景観を損なうということでブルーシートは禁止されていて、代わりに無料でゴザが借りられます。

ゴザを敷いて楽しむ京都の宴

春の盛大な宴会は、『祇園しだれ桜』に見守られながら、夜深くふけるまで続くのです。

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