ニッカの旗と余市蒸留所の門

余市川沿い桜満開の「リタの散歩道」

小樽から車を走らせ30分程行くと、ワインが名産であり、ワイン用に使われるぶどうの生産量北海道No1を誇る余市があります。日本海を臨むワイナリーが街の周りに点在し、またフルーツの栽培が盛んな大地の恵みたっぷりな環境です。

春には、ニッカウヰスキー工場のすぐ裏手の余市側の桜並木“余市川桜づつみ”が見事です。

川沿いに並ぶ桜は、エゾヤマザクラではなく、薄いピンクの花が咲くソメイヨシノが主です。余市川の河口から1㎞ほど上流の両岸土手上に、全体では約5㎞にわたって桜の木々が続いています。左岸を歩けば、対岸の桜並木の向こう側にニッカウヰスキー工場の赤い屋根が見えます。

桜の木が、土手の高さよりほんの少し低い位置に植樹されているせいか、桜の花がすぐ頭上にかかるようになっているのも、ここならではの魅力でしょう。

ちなみに、この余市川桜並木は、ニッカウヰスキー創業者竹鶴政孝の妻・竹鶴リタが弁当を届けるにあたり通ったルート、「リタの散歩道」の一部でもあります。「余市川桜づつみ」として整備されたのは、1993年より、町を挙げて余市を代表する桜並木に育ててきました。

余市の街に佇む、風光明媚な「余市蒸留所」 i

そののどかでクラシカルな余市の街の中に、日本で二番目につくられた本格的なウイスキー蒸留所「余市蒸溜所」があります。NHKの朝ドラで有名になった「マッサン」こと竹鶴政孝がウイスキーづくりの夢を追って建設したものです。

余市蒸留所には、操業が開始された1934年から残る建物もあり、蒸留所を訪れて最初にくぐることとなる「正門」は、歴史の息吹を感じる頑丈な石造りです。

敷地内には白樺やエゾマツの樹々が並び、歴史的建造物と共に異国情緒を感じさせてくれる風景。春には淡い緑と桜が柔らかな日差しに浮かびあがり、夏には海風に揺れる花々と青空に浮かぶ赤い屋根、秋には紅葉が石造りやレンガ造りの建物を彩り、冬には雪に包まれた蒸留所が、幻想的な雰囲気を見せてくれます。

敷地内には、マッサン夫妻が暮らしていた「旧竹鶴邸」や、貯蔵庫を改装した「ウイスキー博物館」があり、見どころいっぱいです。

「マッサン」の夢を辿る余市蒸留所

理想のウイスキーづくりをもとめた竹鶴氏は、澄んだ空気と夏でもあまり気温の上がらない気候に加え、良質なピートに恵まれた余市をその適地として選びました。ウイスキー創りの本場スコットランドに似た、冷涼で湿潤な気候、豊かな水源と凛と澄んだ空気がそろい、 ウイスキー作りには絶好のロケーションです。

ニッカウヰスキー余市蒸溜所は昭和11年、ポットスチルに火が点じられてモルトウイスキーの製造が開始されて以来、当時と変わらない製法でウイスキーの蒸溜、貯蔵を行っています。

工場見学ガイドツアーもあり、「蒸留棟」や「乾燥棟」などを見学し、製造過程を学ぶこともできます。もちろん試飲もありますよ!実際のウイスキー造りを見たい場合は、公式ホームページにて製造予定日を確かめてから、訪れてみてください。

道内では、余市から東のかなたの厚岸町で、余市町のニッカウヰスキーに次ぐ、約80年ぶりの道内ウイスキー“厚岸ウイスキー”が、新たな観光資源としての活用へ期待が高まっています。竹鶴氏の熱い想いに負けない、厚岸町の新たな挑戦についても注目でしょう。

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