「長崎紫陽花(おたくさ)まつり」雨の街長崎を巡る旅!

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シーボルトが世界に紹介した長崎の紫陽花

長崎市民が最も愛している美しい紫陽花を世界に紹介したのは、鎖国時代、医師として来日したドイツ人シーボルトです。自然科学の研究にも情熱を注いだシーボルトは、日本滞在中、数多くの植物の採取と調査、分類を行っています。その活動の中で、彼は、ある紫陽花に、愛する日本女性の名「おたくさ」とつけました。

長崎では、市の花を紫陽花と定め、今は品種の隔てなく、全ての紫陽花を「おたくさ」あるいは「お滝さん花」とも呼んで親しみ、例年5月から6月にかけて( 2019年は、5月25日(土)~6月16日(日) )、街並みを紫陽花で飾る「長崎紫陽花(おたくさ)まつり」が開催されています。今年も。4,000株の紫陽花が眼鏡橋や出島、グラバー園で美しさを競っていました。

雨に打たれながらも健気に咲く楚々とした姿に加え、シーボルトとお滝さんとの物語が、紫陽花を一層ロマンチックなものに思わせ、今も人々を魅きつけています。

「オランダ坂」「グラバー園」、長崎の坂道と紫陽花!

江戸時代の鎖国のもと、海外との唯一の窓口だったのが長崎です。長崎は坂の町。外国人居留地にある坂道は「オランダ坂」とよばれ、周辺には東山手洋風住宅群があり、異国情緒漂う景色を楽しめます。

オランダ坂を下り、南山手地区を訪れエレベーターで上に登ると、山の斜面に張り付くよう建てられた住宅街とまるで鶴が美しく羽を広げた「鶴の港」と呼ばれる長崎港を一望できます。

近代日本の夜明け、明治時代。長崎には大いなる夢を胸に海を渡る異国の商人達がいました。その中でも、特に日本の近代化に寄与した人物がトーマス・グラバーです。彼は幕末時代、武器の取引や藩士の海外派遣など、当時の日本の近代化に大きく貢献した人物です。彼の住んでいた家が、「グラバー園」の中に日本最古の木造建築として現存します。

「紫陽花まつり」の期間中は、多くのアジサイで彩られ、普段とは少し違った一面を見せてくれます。

小高い丘にあるグラバー園では、紫陽花がところどころに花を咲かし、築150年以上の木造洋風建築旧グラバー住宅と紫陽花越に臨む、美しい港味わい深い風景を見ることができました。

街の景観に船の出入りが溶け込み、豪華客船が出入港する瞬間には、まるでビルが自分の足元を移動するかのような迫力を体感することができます。

長崎の「出島」、「眼鏡橋」を彩るカラフルな紫陽花

鎖国時代、唯一西洋との貿易が許されていた出島があった場所では、当時の街並みが復元され、シーボルトが愛した紫陽花が色を添えています。130年ぶりに開通されたという、「出島表門橋」長さ38.5メートル、幅4.4メートルだそうです。鉄製のシンプルなデザインがスタイリッシュです。

出島から新地の方へ向かい、ベルナード観光通りを抜けて眼鏡橋へ向かいました。眼鏡橋は、中島川にかかる日本最古のアーチ式石橋です。「眼鏡橋」と華やかな紫陽花のコラボレーションは、乗除豊かで、風情があります。

雨の街長崎。原爆投下という深い悲しみの歴史を抱え、平和への願いと祈りにあふれる街です。長崎市街地の北部、原爆の爆心地周辺に「平和公園」は広がっています。公園は大きく分けて、願いのゾーン、祈りのゾーン、学びのゾーンからなり、当時を知る人や歴史を勉強する学生、外国人旅行者が訪れていました。

「平和の水」の噴水の隙間から、「平和祈念像」が見えました。長崎県出身の彫刻家・北村西望(きたむらせいぼう)氏の手によって、昭和30年(1955年)に完成した銅像です。

天を指す右手は「原爆の脅威(長崎の過去)」を示し、水平に伸ばした左手には「平和への祈り(長崎の未来)」が込められています。重さ約30トンの青銅を用いた高さ約9.7メートルの巨大で力強い銅像は、被爆都市長崎のシンボルとも言える存在であり、旅行者はもちろん多くの市民に愛されています。

平和祈念像のすぐ側に建つ「折鶴の塔」の先端に輝く黄金の鶴と平和記念像に、悲劇の歴史を二度と繰り返すことがないようにという、長崎市民の平和への祈りが込められていました。

「世界新三大夜景」「日本新三大夜景」に指定!すべてを包み込む長崎の夜景

長崎の空が夕焼けに染まる頃、稲佐山をロープウェイで登りました。燃えるような夕焼けが終焉をつげると、長崎の街に少しずつ新たな光が灯っていきます。

日本には数多くの素晴らしい夜景が楽しめるスポットがありますが、長崎の夜景は絶対に忘れることができない夜景と言われています。稲佐山展望台からは何もさえぎるものがないので、360°パノラマの長崎風景を見渡すことができます。その夜景は、香港、モナコとともに「世界新三大夜景」に指定され、さらに北九州、札幌とともに「日本新三大夜景」に認定されています。

周りを山に囲まれているので、街の夜景が小さな箱にしまわれているような、宝石のような輝きを見ることができます。

起伏に富んだ地形が立体的な光を生み出し、あたたかい光に包まれているような心地良い空間に酔いしれます。そこには、なぜか懐かしさを感じました。紫陽花に彩られた、様々な過去を持つ長崎の街を散策し、平和への祈りが形となった平和公園で神聖な空気感に触れ、すべてを包み込むような長崎の夜景を目の当たりにし、長崎での一日は忘れることのない記憶となりました。

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