ニセコのスキー場を目指して、今や海外から多くの旅行者が訪れます。その人気の理由に、ニセコルールがあります。ニセコルールとは何か?ニセコのスキー場で遵守されるニセコルールの背景、そのローカルルールの内容、重要性について紹介します。
目次
- 1 ニセコルールを含め魅力満載のニセコのスキー場!
- 2 ニセコルールが設定された背景は?
- 3 ニセコルールとは?
- 4 ニセコルール1.立ち入り禁止区域にいかなる理由があっても入ってはならない
- 5 ニセコルール2.ロープをくぐってはならない。スキー場外へはゲートから出ること
- 6 ニセコルール3.スキー場外の安全管理は行われていない。
- 7 ニセコルール4.ゲートが閉じられている時はスキー場外へ出てはならない
- 8 ニセコルール5.ニセコ雪崩情報はニセコルールの公式情報である
- 9 ニセコルール6.スキー場外での捜索救助には費用が請求される
- 10 ニセコルール7.スキー場パトロールの指示に従うこと
- 11 ニセコルール8.小学生のみのスキー場外滑走を禁止する。少年団活動など指導者及び保護者同伴時を除く
- 12 ニセコルール9.スキー場と地域は利用者の自由を尊重し、安全に重大な関心を持つ
- 13 ニセコルールの再確認!
- 14 まとめ:ニセコルールで手に入れる自由とは?スキー場を安全に大胆に!
ニセコルールを含め魅力満載のニセコのスキー場!
今や北海道というより、日本を代表するスキー場として、海外スキーヤーからもおすすめのニセコエリア。
ニセコのスキー場は世界に類のない、雪質と積雪量、眺望、環境が魅力です。
新千歳空港や札幌から車で約2時間の距離に位置するニセコは、世界中から観光客が訪れ、スキーシーズンともなれば、街に居る半数以上が外国人になってしまうという話題の街です。
ニセコのスキー場での積雪量は、最高5~6m、気温はスキーシーズンでー10度前後です。
近年スノーボードを楽しむ人が増え、幅の広いスキーが流行り、圧雪していない斜面に降り積もった新雪を滑るのがおすすめになっています。
ニセコのスキー場のパウダースノーは、適度な湿り気があり、スキーやスノーボードを楽しんでいると、雪の中で浮遊感を味わうことができる雪質です。
また、ニセコでは、圧雪状態だったスキー場が、次の日には雪が降りパウダースノーを楽しむことができる積雪量になることも頻繁にあります。
標高がそれほど高くなく、アクセスもしやすいニセコは、このような上質の雪質を楽しめることは世界でも滅多にない、おすすめのスキー場です。
ニセコには、ニセコの大自然を安全に楽しんでもらいたいと考えた先人達が、長い時間をかけて地域自治体とともに作り上げた「ニセコルール」というローカルルールもあります。
危険を可能な限り回避しながら、ニセコの大自然を楽しめるために設定したニセコルールは、ニセコの人気に拍車をかけ、スキーヤー仲間がおすすめするスキー場になりました。
ニセコのスキー場のオープン時期は、スキー場ごとで若干前後しますが、概ね11月最終週から5月初旬くらいとなっています。
世界からも多くの観光客が人生の一度は行きたいと訪れるニセコのスキー場ですが、ニセコにもいくつかの種類の異なるスキー場が存在します。
ニセコには4つのスキー場が集まっており、ニセコ全山共通券で4スキー場の合計70コースを楽しむことができます。
北東から「ニセコHANAZONOスキー場」、「ニセコグラン・ヒラフスキー場」、「ニセコビレッジスキー場」、「ニセコアンヌプリ国際スキー場」と大きく4つのスキー場に分かれ、それぞれに特徴あるコースが広がっています。
この4つのスキー場は総称「NISEKO UNITED.」と呼ばれていています。
ニセコルールが設定された背景は?
ニセコのスキー場は、1964年の東京オリンピックを契機にスキー場の整備も進み、「アンヌプリ国際スキー場」がオープン、1982年は「ニセコ東山スキー場」オープンしました。
この時期から標高1000メートル以上のリフトや高速ゴンドラなどが設備され、その後映画やドラマの影響もあり、スキーブームが沸き起こり、ニセコは日本を代表するスキー場へと発展しました。
一時期は、スキーブームも去り、ニセコもさびれていた時期もありますが、2000年代に入ると海外からのスキー客が増加しました。
オーストラリアと千歳空港間の直行便が就航し、その後アジアと千歳空港便も増え、ニセコは海外からも有名なスキー場となりました。
1985年から2000年までの15年間に、ニセコの雪山で起きた事故の死者は8人にのぼり、ニセコは日本でもっとも事故の多発するスキー場のひとつと言われるようになりました。
スキー場は危険なコース外滑走を「禁止」します。しかし、古くから山全体を滑る歴史を持つニセコでは、コース外を滑る人は後を絶たず、スキーヤーとパトロールの追いかけっこが続いたそうです。
ニセコでは、このように雪山での死亡事故が度々起こってきたことから、コース外滑走の「禁止」で人命は救えない、「禁止」したところでまた事故が起こり、大切な命が奪われてしまう可能性が高いという考えに変わりました。
以上が、「ニセコルール」ができていく背景です。
ニセコルールとは?
ニセコルールでは、完全立ち入り禁止区域を設けるものの、多くの人にとって魅力的なコース外滑走を認めます。
その代わりにニセコルールでは、かならず設置されていrゲートから外へ出るようにします。
そして危険が予測される場合にはゲートは閉じられると、ニセコルールでは、ゲート外には出ることはできません。
沢山の人々が関わり、2001年の制定までに約10年という長い時間をかけて作り上げられたのがニセコルールです。
このニセコルールにより、スキーヤーは、「滑走の自由」を手に入れました。
素晴らしい環境で、最高のパウダースノーを楽しむことができるのも、ニセコルールがあるからです。
地元住民、シーズンスタッフ、観光客、ニセコの山を楽しみたい人は誰でも例外なくニセコルールを守らなければならない。
ガイドライセンスを持つような、雪崩に関する独自の判断基準を持った方でも、スキー場のリフトを使う以上は「ニセコルール」を遵守する必要があります。
ニセコルール1.立ち入り禁止区域にいかなる理由があっても入ってはならない
春の滝、及び湯の沢立ち入り禁止地区は、過去に亡くなっている方もいる地区です。
ニセコルールでは、雪崩リスクも高「立ち入り禁止区域」には、決して立ち入ってはなりません。
湯の沢及び春の滝は、ニセコルールの「完全立ち入り禁止区域」です。
ニセコルールでは、これら2つの谷を滑走するとリフト券を没収します。
ニセコルール2.ロープをくぐってはならない。スキー場外へはゲートから出ること
ニセコルールでは、全てのロープをくぐることを禁止します。
ニセコエリアでは、ルールで定められた合計11ヶ所のゲートが設置されており、そのゲートを通れば管理区域外へ出ることもできます。
ニセコルールでは、違反者はスキー場利用を拒否される場合があります。
これらの行為を行うとリフト券を没収します。
ニセコルール3.スキー場外の安全管理は行われていない。
ニセコアンヌプリ山頂を含むスキー場管理区域外は国有林または道有林であり、国定公園です。
ゲートを一歩出ればそこはバックカントリーエリアなので、例え事故が起きても全て自己責任です。
ニセコルールの中では、管理区域外はスキー場によって管理されていないので自己責任になることが明記されています。
ニセコルールは管理区域外滑走、山頂登山には危険が伴い、自己責任が問われることを明らかにします。
ニセコルール4.ゲートが閉じられている時はスキー場外へ出てはならない
スキー場はニセコルールに基づき、高い危険が予測される日にはゲートを閉鎖します。
雪崩には“発生しやすい条件”があり、様々な条件を加味した上でニセコエリア各ゲートの開閉は決定されます。
ゲートが閉まっているという事は、スキー場外の危険を意味します。
ニセコルール5.ニセコ雪崩情報はニセコルールの公式情報である
「ニセコなだれ情報」はニセコルールの公式情報です。
雪崩リスクや各ゲレンデの積雪情報、雪質、ゲートの開閉予定等の情報がシーズン中ほぼ毎日更新されます。
この情報はリフト乗り場、各ゲート及びインターネット上に掲示されます。
ニセコルール6.スキー場外での捜索救助には費用が請求される
スキー場管理区域外で事故が発生し、スキー場パトロールが捜索救助活動を行う場合、
スキー場はニセコルールに基づき、当事者に実費が請求されます。
ゲートを越えたらスキー場管理区域外となるので、例え事故が起きても全て自己責任です。
ニセコルール7.スキー場パトロールの指示に従うこと
スキー場管理区域内外を問わず、ニセコルールは全ての利用者がスキー場パトロール、
後志(しりべし)山岳パトロールの指示に従うことを求めます。
パトロールの方々は、ゲレンデ内はもちろん、ゲート先の状況も私たちより明確に把握しています。
ニセコルール8.小学生のみのスキー場外滑走を禁止する。少年団活動など指導者及び保護者同伴時を除く
スキー場外はバックカントリーエリアとなるので、雪崩・遭難等予期せぬ事態も考えられます。
ニセコルールでは、まだ危険回避能力が低いと考えられる小学生以下だけでの滑走は大変危険なので禁止されています。
ニセコルール9.スキー場と地域は利用者の自由を尊重し、安全に重大な関心を持つ
スキー場と地域はニセコルールの精神に基づき、利用者の自由を尊重し、その安全に重大な関心を持ちます。
スキー場関係者、ニセコ雪崩研究所、そして地域の人間達が一丸となり、時間をかけて作り上げてきたのがニセコルールです。「禁止」や「自己責任」ではゲレンデアクセスからの雪山事故はなくならないという、これまでの経験に基づいたものです。
ニセコルールを尊重することが重要になります。
ニセコルールの再確認!
「ニセコルール」があること!
これはニセコの人気を引き上げている大きな要因です。
ニセコの大自然を安全に楽しんでもらいたいと考えた先人達が、長い時間をかけて地域自治体とともに作り上げたのが、「ニセコルール」という特殊なルールです。
「スキー場の管理エリア」と「自己責任で滑って良いエリア」、「絶対に入ってはいけないエリア」の3つに、ニセコの山全体を区分けしています。
代表的なのは「ニセコアンヌプリ山頂」へ歩いて上るルートですが、「スキー場管理エリア」に設置されたゲートを通って「自己責任エリア」へと出ていくことになります。
このゲートの開閉の管理は、地元のスキー場、スキーヤー、スノーボーダー、行政が一緒になって設立した「ニセコ雪崩調査所」の情報のもとに判断されています。
ニセコルールは、禁止するのではなく危険を極力回避し、自然の恩恵を可能な限り楽しむルールです。
「ニセコルール」より、ゲレンデからのアクセスで素晴らしいポイントへ到達することができ、雪や天気の条件が揃えば、 安全に「山を滑る」という感覚を楽しむことができます。
「ニセコルール」を尊重するのが、ニセコのナチュラルフィールドを楽しむ際、最も重要になります。
まとめ:ニセコルールで手に入れる自由とは?スキー場を安全に大胆に!
ニセコルールは、通常の世界ではすぐに危なければ「禁止」という判断をするところ、実際の効果を追い求めた結果たどり着いた究極のルールだと思います。
ニセコで手にいれる滑走の自由とは、スキーヤーじたいがニセコルールを遵守することが前提にあり、場合によってはニセコルールを守っていない人に注意喚起し、海外の人も含めて全滑走者がニセコルールを尊重していくことが重要です。
安全と自由を手に入れることができるニセコに、世界中の人が憧れるのです。