MINMIさんの歌う横顔

MINMIさんのライブが、世界遺産「春日大社」を舞台に開催されました。「自然」や「仲間」をテーマに様々な音楽活動を行っているMINMIさんのコンサートは、荘厳で華麗な印象的な時間を生み出しました。

世界遺産「春日大社」を舞台に

奈良の最大の観光スポットである、巨大な大自然の奈良公園。奈良公園の中には世界遺産として登録されている3つのスポットがあります。

それが東大寺と興福寺、そして春日大社です。

春日大社は、全国にある春日神社の総社ともいえる存在です。

また本社をはじめ4殿の建物が国宝に登録されており、併設されている国宝館では、多数の国宝の文化財を目の当たりにすることができます。

飛鳥から平城京へと都が移された奈良時代から歴史が始まった春日大社は、2018年で創建1250年を迎えました。

ユネスコの世界遺産(正式登録名は、春日大社や春日山原始林を含む「古都奈良の文化財」)に登録されてから20周年を迎えました。

20年毎に斎行される「式年造替(しきねんぞうたい)」という制度を守り続けることにより、朱色の柱に白い壁は瑞々しく鮮やかな姿に保たれ、尊厳のある凛とした空気が満ちています。

全国に3000ある春日神社の総本社であり、境内にある奉納された3000基の燈籠が多くの人々からの厚い信仰の広がり示しています。

秋雨前線の停滞により当日朝まで降り続いた雨は奇跡的に上がり、広がった青空に、朱色の本殿が目にまぶしく映ります。

朱塗りの回廊にずらりと並んだ燈籠の、まるで王朝絵巻のような様に圧倒されながら、春日大社の西側に広がる広大な芝生の丘「飛火野(とびひの)」に向かいました。

MINMIさんが大切にする「自然」「仲間」「音楽」

飛火野は、奈良時代、平安時代の貴族たちの和歌などにも頻繁に登場する、長い歴史を通じて現代まで、奈良を愛する人々のくつろぎの場所と言われています。

春日大社に祭られている武甕槌命(たけみかづちのみこと)が奈良の地に白鹿に乗ってきたとされることから、古くから神様の使いとされている鹿たちも、のんびりと思い思いに過ごしています。

周囲を悠然とした大木に囲まれた飛火野ですが、特に目を奪われるのは、明治天皇の玉座跡に記念植樹された樹齢約100年の大きな楠です。

東側から見ると一本の幹に見えますが、実は三本の株がからみあっており、そこに立つと、見守られているような落ち着いた気持ちになるのはここで時代と共に変わりゆく人々を見守ってきた木だからでしょうか。

2008年、「自然」「仲間」「音楽」をテーマに自らが発起人となり、シンガーソングライターMINMIさんは大型野外音楽フェス「FREEDOM」をスタートしました。

東北、淡路島、九州といった大きな自然災害でダメージを受けた土地で、それを乗り越えることを応援しつつ、「自然は敵ではなく、一緒に共存していくもの。

自然の恩恵をしっかり感じて、楽しもう」をコンセプトに、自然を考え、自然を感じ、自然とつながることで生まれる感動を大切にしたいというMINMIさん。

今日は、この場所で、どんなステージが始まるのでしょう。

入場口では、春日大社からのふるまい酒が配られ、使用した盃は持ち帰りOKという素敵な演出もあり、スタート前から粋な空気が漂い、期待は高まります。

ツアータイトル「Identify」に込められた想い

すっかり日が落ち、水分を含んだ周囲の木々や足元の芝生から上がる、まるで朝もやのように見える涼やかでかすかな蒸気がステージを包みます。

間もなく満月を迎える月の灯りがスポットライトのようにステージを照らし始めた頃、MINMIさんのショウが始まりました。

巫女さんを想像させる白に朱色のセットアップ姿でたおやかに登場し、静かなバラードを語りかけるように歌います。

日頃から、日本独自の文化や造詣に誇りを感じ、国内外に向けて、音楽と共にその魅力を届けたいと語るMINMIさんは、過去にも、住吉大社や比叡山延暦寺を舞台にステージに立たれています。

太陽と海、カリブの風に吹かれ、パワフルに歌い、踊るというスタイルで多くの人々を魅了しているMINMIさんが、今宵、“和”を感じる飛火野で、切ない歌声を響かせます。 

この日から始まるツアーのタイトルは「Identity」。

ご自身が子育て中であるMINMIさんのきめ細やかな心配りから、「FREEDOM」でも、託児所や授乳施設を用意し、何歳になっても音楽と自然と繋がれる場所を提供している為でしょうか。

会場には家族連れ、小さなお子さんの姿も目立ちます。MINMIさんが「Identityとは「皆が好きだから好き、ではなく、皆が好きじゃなくても私は好きと言えるもの」」と語ると、会場のあちこちにいる少女たちは、真剣な眼差しでMINMIさんの声に耳を傾けていました。

MNMIさんの紡ぐ声、呼吸、リズムに合わせて、思い思いに体を揺らします。

MINIMIさが歌に込めるメッセージ

MINMIさんは、「喜怒哀楽のすべてが、人生には重要」「誰かと比べず、自分らしく」と以前より語っていました。

「人生にはいろんな時があって大変なときもあるけれど、そういう時にこそ生まれるものがある」と、これからもずっとステージに立ち続け、歌い続けると力強く語りました。

アーティストとして、プロフェッショナルとして、そして人としての強い想い、そして、この場所にしかない強いパワーを伴って発信されたメッセージは、それを全身で受け取ったそれぞれの心に共感と勇気を与えました。

「Identity」という言葉、そして深く胸に刻まれた今宵のメッセージが、飛火野のステージの残像と共に、一人ひとりの背中を押してくれるでしょう。

自分らしく、一歩ずつ先へ。

※ 当記事はTheNewsへ提供した記事を著者が再編集し書き下ろしたものです。

※アーティストの写真は、所属事務所より確認許可をいただいた写真のみ掲載しています。

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